森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

椎茸が大きく、若葉が芽吹く

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 久し振りに、ここ生石山の山小屋に帰って来た。山を下る前日まで雪が降っていたが、1週間経った今、森に春の気配が漂っている。ウグイスなど野鳥のさえずりがにぎやかになり、春一番に新芽を出すクロモジの木も黄緑色に彩られていた。

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 都会の山や街路の桜は満開だったが、こちらの山桜の花芽はまだまだ硬い。他の木々が芽吹くのもあと10日余りかかるだろう。裏の杉林で栽培しているシイタケが大きく育っていたのは、うれしかった。昨秋不作だった分、その反動で豊作になりそうだ。

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 山小屋を留守にしていた間、東日本大震災の事態に大きな前進が見られなかった。これだけの災害だから一足飛びに行かないだろうが、日本の重苦しさはこれからも長く続くと覚悟しなければならず、春の陽気に浮かれてばかりにはいかない。

 ただ、街を歩いていて「自粛」「自粛」のお知らせをよく見かけた。被災地をおもんばかる余り、自粛ばかりでは被災者も喜ばないだろう。

 生石高原では毎年3月下旬、ススキ大草原の山焼きが行われることになっているが、今年は行われなかった。赤々と山を燃やす行事は震災のこの時期にふさわしくないと自粛したのだろうが、いかにも小役人の発想である。誰も批判する人などいないはずだ。町役場の過剰反応にはあきれ果てる。

 そもそも山焼きは、害虫を駆除し、芽吹きを促すものだ。大草原を守るための大切な作業なのに、これでは本末転倒だ。こんな姑息なお役人意識が蔓延するようでは、日本は元気にならない。

 山小屋のポストに、一通の葉書が入っていた。有田川で鮎のオトリ店を営む馴染みの店からである。今年の鮎釣り解禁は「5月1日」とのお知らせだった。有田川では例年5月26日が解禁日だったのに、ひと月も解禁が早まったことになる。

 年券はこれまで1万500円だったのが、前倒し年券は1万3650円となる。漁協は増収を狙って無粋極まりないことを仕出かしたのだろう。愚行としか言いようがない。

 解禁日は鮎の友釣りファンにとっ1年の始まり、つまりは元日みたいなものである。みんな、満を持しているのだ。それがひと月も前倒しになれば、待ち切れない釣り人が押しかけるかもしれないが、それでは川を守り、魚を育てるはずの漁協が鮎釣り本来の姿を率先垂範して崩壊させている。

 5月下旬ともなれば燃えるような新緑が川面に揺らぎ、川の水もやっとぬるんでくるころである。鮎も石の珪藻をはたっぷりはみ、香り豊かな「香魚」に育っている。これが日本の川の風物詩なのだ。

 しかし、5月1日ではまだ水も冷たく、鮎も十分成長しているとは言えない。寒い冬にイチゴを食べるような昨今の食事情と似たようなものだ。食べ物には旬があり、鮎にも旬がある。

 私は本来の5月26日の解禁日まで竿を出さない。ちょっと偉そうに言わせてもらえば、それが、川と鮎に対する礼儀だと思っている・・・。
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Comment
 
『自然には旬が有る。人間の行いには、節度が必要。節度を保つのが、自然に対する人間の礼儀。』 全く仰る通りです。目的を忘れた山焼きの自粛に、シーズンと云う括りのスパンに無理矢理、日割り川使用料で乱入した漁協ですか・・・
 人間の本末転倒の思考は、根底に自然への無関心さで繋がって居るんでしょうね。それすらも、気付かない愚行は、日本人の自然観への衰退なんでしょうね。

 へへへ、嫌なご時世と為って居りまする。
 2011.04.10 (日) 18:36 [Edit]
 kumoki [URL] #-
父親が漁師だった砂漠人がいつも話しているのですが、当時(1950~60年代)のカスピ海では「たとえ人が飢えていても」繁殖期の海には近寄らなかったそうです。それくらい、自然に対する敬意がはらわれていたのだとか。
人間も自然の一部、人間自身が自然だということを、今はうっかりすると忘れてしまいそうな世の中ですね。特に日本は、それを忘れて経済の拡大ばかりに走った国の代表例として歴史に残ると思います。
 2011.04.13 (水) 00:59 [Edit]
解禁を早めたのは自粛ムードによる収入減を嫌ってのことでは・・・。
珍しく以前行ったことのある潮干狩り場から先日も『是非お越し下さい』という営業の電話がありました。
そこは三重県なんですが外洋に面している分、余震による津波を恐れて余計に利用者減が深刻なんでしょうね。
関係ない川でも自粛ムードによる収入減があるのかもしれません。

生意気を書きましたが、全てひまじんさんの絶品『鮎の燻製』を心配してのことです。へへへ・・・。
 2011.04.13 (水) 23:30 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   アガタ・リョウ さんへ

 こんにちわ。このところ、うんと暖かくなりましたね。女房は畑仕事に忙しく、私は煙草をふかして見守るばかりです。
 日本人の自然観の欠如はおっしゃる通りです。一つには戦後教育が悪いのではないでしょうか。自然への畏れ、神々への畏怖・・・そんなことを教えず、個人主義の崇拝を押し付ける。日教組は出てこい!
 2011.04.15 (金) 11:51 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   kumoki さんへ

 へぇー、砂漠人さんのお父さんが漁師。これは驚きました。漁師は私の憧れの職業です。ま、今は半分くらい漁師をしていますが・・・。
 カスピ海の話はいいですね。人間はかくあるべきですね。自然に対する敬意と畏敬の念。忘れてはいけないと思います。砂漠人さんから教えられることが多いですね。
 2011.04.15 (金) 12:42 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   亀丸さんへ

  

 自粛ムードによる収入減を嫌ってのこと・・・なるほどこれには気付きませんでした。そうなんでしょうね。津波への過剰反応でしょうが、潮干狩りに人が来ないのは切ないことですね。
 先日、大枚をはたいて鮎の竿を買いました。去年、折ってしまいましたからね。これでバンバン釣りますよ。もちろん、燻製を作って送りますよ。ライオン丸さんの分もね。ただし、まだ先の事です。お待ちを・・・。
 2011.04.15 (金) 12:48 [Edit]






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