山ボタルが舞う

 先日の夜の8時ごろだった。東京から遊びに来ていた友人が、山小屋の裏から「ちょっと来て!」と大声を上げた。女房と一緒に外へ出ると、友人は「ほれ、ほれ、あれホタルじゃないの?」と興奮している。

 いつもこの季節になると、この森ではホタルが飛ぶのだ。山小屋は山の頂上に近い尾根に建っていて、川も谷川もない。標高800メートルもの高地の森にホタルなど飛ぶはずがないと、数年前まで思っていた。しかし調べてみると、杉や檜の森に棲む「ヒメボタル」という種類がいることが分かった。別名「山ボタル」とも呼ぶらしい。

 この夜は霧がかかり、その中を10数匹のホタルが飛んでいた。ホタルの光芒は霧によってぼんやりと膨らみ、美しかった。まさに、「幽玄の世界」が目の前に広がった。体長は源氏ボタルのように大きくはなく、光も派手ではないが、点滅させる間隔は幾分速いように思う。

 夜露に濡れながら、しばし3人でホタル見物を楽しんだ。ホタルは、幼少の頃の懐かしい思い出だ。浴衣を着せられ、姉や兄の手に引かれてホタル狩りに出かけたように思う。ホタルの美しい光跡や、ホタルを手にした時の生臭い独特の香りは、今でもはっきりと思い出すことが出来る。

 ホタルと言えば、私も友人も「ホタル族」である。山小屋の中は禁煙にしているので、外の暗闇の中でホタルのように煙草の赤い光を点滅させている。団地やマンションのベランダで煙草を吸う愛煙家を「ホタル族」と呼ぶが、家の中から締め出された哀れな姿でもある。

 ホタル族と書いたついでに文句を言わせてもらうと、先日の新聞に煙草税の値上げが検討されているという記事が出ていた。「いい加減にせい!」と言いたい。昨年10月、例えば私の吸っているマイルドセブンライはト300円が410円に値上げされたばかりである。それなのに、さらに50円値上げされ、1箱460円になるという。

 大震災の復興構想会議は臨時増税して復興財源を賄うよう提言したが、政府は比較的反発をうけにくい煙草税の増税を検討しているのだという。昨年の値上げの際も、「反発を受けにくい」という理由を上げていた。確かに昨今、われら愛煙家は社会の日蔭者扱いされている。だからと言って、国のお金が足らなくなると、愛煙家にそのツケを回すのは不公平ではないか。

 われら「ホタル族」は世間から嫌がられ、ますます肩身が狭い。その上、値上げ攻勢で追い打ちをかけられている。もうホタルをやめようかな・・・いや、出来ないだろうなあ・・・。
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コメント

ほたる族に課税

ほたる族と言うのを初めて知った。「外の暗闇の中でホタルのように煙草の赤い光を点滅させている」のはよいとして、吸殻をどうしているのか気にかかる。
ポイ捨てすると枯葉に着火して山火事になるかも知れない。
下界の公道で吸殻のポイ捨てをみると、ニコチン中毒者が通行したあとだと考える。
ポイ捨てに絶大な嫌悪感を覚える身としては、愛煙家に対するたばこ税の増税は何がしかの清涼剤となる。

   左巻き菅直人 さんへ

 愛煙家の大半は、日蔭者の自覚があり、マナーはしっかりしていると思いますよ。わが山小屋には、いたるところに灰皿を置いているので、ポイ捨ては皆無です。ご心配をいただき有難うございます。

フフフ、しつこいようですが、たばこが健康に悪くて税金を上げるならば、
太り過ぎの人や休みを取らない人にも課税した方がいいですね。
愛煙家だけにツケを回すのはわたしも不公平だと思いますよ~

   kumoki さんへ

 税金は公平に取るものだと思いますね。
煙草の次は、酒税の増税を検討しているそうです。
私は煙草もお酒も好きなので、これはダブルパンチ。
せちがらい世の中です。
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