森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

薬師岳・・・(その2)

 薬師岳登山の第一日目は、標高2693mの「薬師岳山荘」に泊まる予定だ。標高1870mの「三角点」に到着したばかりだから、まだまだ長い道のりが待っている。午前9時15分、その三角点から再び歩き出した。次の目標「五光岩ベンチ」までは標高差326m、距離にして2760m。くたくたになった急登の「太郎坂」に比べれば、道は穏やかだろう。

 防虫ネット付き農業用の帽子をかむった珍しい姿の女房が、たくましく登って行く。服装はダサイが、女房の名誉のために書いておくと、OL時代は会社の山岳部に所属していて北アルプスなどを歩いていた。「今ある服装で何の支障もないのよ」と言うのが彼女の哲学である。何事も姿、形から入る私とは大違いだ。

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 私は二日酔いが覚め、足取りも軽くなった。少し霧が晴れ、山並みが見えるようになった。よく整備された歩きやすい道が空に向かって延びている。草原には黄色の花が咲いていた。何という名前の花だろう。帰ったら図鑑で調べてみよう。山の雰囲気に誘われて、年甲斐もなく花を愛でる乙女のような気分になって、我ながらおかしくなった。

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 少し疲れた。リュックを下ろして、今来た道を振り返ると、霧の間から有峰湖が顔をのぞかせていた。はっとするような美しい湖だった。しかし、ダム湖建設のため湖底にいくつかの集落が沈んだことを思うと、切ない。集落の人たちは、薬師岳を信仰の山としてあがめてきた。そして今、その有峰は登山の拠点となっている。

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 この先のことを考えると、体力を温存するように歩かなければならない。小休止を繰り返しながら10時55分、五光岩ベンチに到着した。三角点からの所要時間は1時間40分。ガイドブックに書いてあるより10分余計にかかっている。高齢者登山だから無理をせず、これでよいのだ。

 ここで5分休憩し、次の「太郎平小屋」に向かって歩き始めた。この山小屋は標高2330。五光岩からの標高差は134mで1700mの距離だ。このあたりでは、ニッコウキスゲが満開だった。この花の黄色は、神が与えた高貴な色だと思う。登山道のすぐそばに池溏(ちとう)があり、そこに一輪のニッコウキスゲが咲いていた。

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 しばらく歩くと、今度はニッコウキスゲの群落が現れた。その遠くに、長い滝が流れ落ちていた。高山ならではの素晴らしい風景に出会えて、「ああ、来て良かったね」と素直な言葉が女房の口から突いて出た。

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 私たちはリュックに2本づつペットボトルを入れていた。しかし私は、二日酔いで脱水症気味だったのと、暑さのため2本とも飲み尽してしまった。女房はまるまる1本分残していたが、「少し飲ませてほしい」と言っても、「二日酔いになるなんて論外。飲ませてやるもんか」と非情である。 

 渇きに耐えながら歩いていると、木道の上で女房が両手を上げている。おっ、太郎平小屋が近いのだろう。目標地点に到着する喜びよりも、炭酸飲料のシュワーッにありつける喜びの方がはるかに強い。「炭酸! 炭酸!」と唱えながら力を振り絞って前進した。11時55分到着。五光岩ベンチからの所要時間は1時間。普通。

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 500円玉を握りしめ、太郎平小屋の売店に駆け込んだ。「CCレモン」の缶を震える指でプシュッ。一気に喉へ流し込むと、酸味と甘味が疲れた細胞に沁みわたる。生き返った気分だ。残った3分の1ほどは女房に飲ませてやった。そこが私と女房の優しさの違いである。

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 太郎平小屋からは、目指す薬師岳の一角や威厳に満ちた黒部五郎岳などが見えるはずだが、ガスに隠れていた。太郎平は山の交差点のような場所で、薬師、黒部五郎、雲の平などに向かう人たちでにぎやかだった。私たちはキツネうどんをすすって12時20分、薬師岳山荘を目指した。その途中、沢を登る難所が待ち構えているので、難儀するだろうなあ・・・。

 
 
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   06:00 | Comment:2 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 亀丸 [URL] #-
登るのはキツそうですが、天国みたいに美しい所ですね。
その健脚、尊敬します。
続きを楽しみにしております!!
 2011.08.12 (金) 23:02 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   亀丸 さんへ

 いやー、キツイ、キツイ。でも、その辛さはすぐ忘れて、次はどの山に登ろうかと考えています。薬師岳は5回書きますので、読んで下さい。
 2011.08.14 (日) 05:40 [Edit]






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