森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

薬師岳・・・(その4)

 薬師平を後にした頃、にわかに空が黒くなり、雷鳴がとどろいた。そして、いきなり大粒の雨が降り出した。女房は心得たもので、さっと折り畳み傘を出して雨をしのぐ。私はリュックの中をごそごそ探すが、なかなかカッパが出てこない。ようやくカッパを着た時はすでに遅し、ずぶ濡れである。

    ↓ 空が次第に黒くなってきた。このすぐ後に雷雨に打たれる
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    ↓ 先行の女性が風に吹かれながら歩いている
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    ↓ タオルを頭に巻き、今にも倒れそうに歩いているのどなた? 
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 雷は鳴り続けていたが、雨は意外と早くやんだ。次第に空が明るくなり、薬師岳もきれいに見えてきた。なだらかな坂を登れば、今夜泊まる「薬師岳山荘」だ。雷の洗礼を受けたが、薬師平ケルンから1時間10分で標高2701mの山荘に到着した。時計は2時45分。折立登山口から7時間50分かかった。歩いた距離は9900m、標高差は1326m。

    ↓ いよいよこの日の最終「薬師岳山荘」が見えてきた
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    ↓ 少し早い到着だったので、登山者の姿はまばらだった
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 山荘は昨年建て替えられ、かすかに木の香りもする。受け付けを済ませ、濡れたカッパや衣類を乾燥室に吊るした。女房は歩いている途中、「あんみつが食べたい」と何度も言っていた。山荘のホームページに「白玉あんみつ」が載っていたのだ。早速二つ注文した。計1600円。とろけるような甘味が快い。疲れが飛んで行くようだった。

    ↓ 女房が狂喜した白玉あんみつ
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 夕食までの時間が実に楽しい。気温が10度なので、フリースを着込んで外に出た。周辺を散策しながら記念撮影もした。峰々は雲に隠れたり、現れたり。突如、黒部五郎岳が見え始めた。山頂の形には威厳があり、神々しくも見える。

 黒部五郎の右奥に薄っすらと大きな山容が見えた。ベテランらしき男性に「あの山は・・・」と聞いてみた。「御嶽山だと思うんですが、間違っているかもしれません」と謙虚である。知ったかぶりの人もいるが、間違ったことを教えられると、ずっとそう信じて他の人に教えてしまうことにもなる。自戒、自戒・・・。

    ↓ 雲間から黒部五郎の雄姿が・・・右は御嶽山?
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 私は愛煙家である。山は風がきつかろうと思い、防風用のライターを持ってきたが、標高が2500mほどを超えると、火が付きにくくなった。薬師岳山荘ではまったく点火しないのだ。気圧の関係か、空気が薄いためか。難しいことは分からないが、このような高山では防風用ライターは役に立たない。普通のライターは何とか点火するようだ。

 煙草が吸いたいがライターが使えないので、山荘の外のテーブルで湯を沸かしていた人にガスボンベの火を借りた。煙草をくわえて炎に近づいた途端、ジュー、ジリジリ・・・。髪の毛が焦げたのだ。少なくなってきた髪の毛なので、もったいないことをしてしまった。

 私たちが到着して1時間ほどすると、二組の団体さんがなだれ込んで来た。併せて40人は超えている。全員中高年だ。山荘は大変な混雑ぶりである。この人たちは予約客なので、大広間に通されたが、飛び込みの私たちは布団部屋に押し込められた。足が伸ばせない狭い部屋で、ここに私たち夫婦と若い男性の3人が寝ることになる。

 夕焼けを見ようと、再び外に出た。見事な夕日が雲海に沈んでいく。薬師岳も赤く染まっている。ああ、ここまで登って来たのだなあという感動が湧きあがってきた。明朝の天候が大荒れにならない限り、あの頂きに立てるのだ。

    ↓ 赤い夕陽が雲海に沈む。この日の疲れを癒してくれる
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 外のベンチに腰かけコーヒーを飲んでいると、山荘の女将が食堂の窓から顔を出し、話しかけてきた。女将はホームページに出ている通り、なかなかの美人で、気取ったところがない。「いやー、その帽子素敵ですねえ。どこで買えばいいんでしょう。私も欲しい」。女房が山でも重宝している防虫ネット付き農作業用のあれである。この高山にも結構虫がいるらしい。帽子を褒められた女房は少し得意げだった。

 夕食は美味しく食べた。昔は人の手で食糧を運び上げていたが、今はヘリコプターで大量に荷揚げできるので、食材も豊かである。後は明日に備えてぐっすり眠るだけだ。ところが、泣きたくなるほどの災難に見舞われることになった。

 同室の若い男性の鼾と歯ぎしりが凄いのだ。とくに歯ぎしりは、ひと晩続けると歯が磨り減ってなくなくのでないかと思えるほどだった。1、2時間は辛抱していたが、もう耐えられない。リュックに入れていたティシュを取りに行き、耳栓を作ってねじ込んだ。しかし、「ギー、ギリギリ」は聞こえてくる。女房も「眠れんわ」と苦悶している。

 私はふた晩続けてまどろむ程度の睡眠不足である。明日は頂上に登り、そこから一気に折立登山口に下らなければならない。そんな心配が頭をよぎる。午前3時、他の登山客が起き出し、私たちも布団を抜け出した。外の天気はどうだろう・・・。

 
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