森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

薬師岳のあと・・・せせらぎ街道を走る

 随分昔のことだが、「馬瀬川」の鮎は日本一と言われた。馬瀬川は、岐阜県北部を流れる中程度の川である。なぜ日本一なのかは分からないが、まず水がきれいなこと、鮎を育てる珪藻が良質であることぐらいしか思い浮かばない。

 その馬瀬川へ釣行したのは20年以上も前のことだと思う。当時は車にキャンプ道具を積んで、家族とともにあちこち走り回っていた頃である。事前に、女房や子供に鮎釣りをするとは言っていない。河原にテントを張ると、「晩ご飯のおかずを調達する」と言って、鮎釣りに夢中になり、家族からひんしゅくを買ったものである。

 鮎はそれなりに釣れたが、日本一の味だったかどうかは判定のしようがなかった。鮎に限らないが、お国自慢はどこにでもあり、おらが川の鮎は日本一と言うことになるのが相場である。馬瀬川の鮎は、高名な釣りエッセイストが書いたものだから、たちまち有名になり、尾ヒレもついた。

 何日か馬瀬川で過ごし、次のキャンプ地に向かった時、これまで見た事もない美しい道に出た。馬瀬川の上流部に当たり、郡上八幡に通じているようだった。道の名前は「せせらぎ街道」--。高山市から郡上八幡に至る道で、馬瀬川に沿って走るので、「せせらぎ」の名が付いたのだろう。

 何が素晴らしいかはうまく表現できないが、森の中に吸い込まれるような雰囲気があるのだ。木々の間を泳いでいるような錯覚にも陥った。

 この道に魅入られ、その後、もう一度訪れたことがある。そして今回の薬師岳登山の帰り道、また走りたくなったのだ。20年ぶりに走る「せせらぎ街道」は、昔に比べると雰囲気は少し違ったが、今なお美しい街道であることに変わりはなかった。

 街道沿いには、別荘や何かの工房のようなものが点在していた。どの家も薪ストーブを使っているようで、軒下などに薪が積まれていた。私も同じ薪ストーブの愛好家だが、薪の量は私の方が圧倒していた。どうでもよいことだが、金持ちになった気分になった。

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 車を運転していると、女房が「そこに止めて!」と言った。ログハウスの喫茶店である。行き過ぎたのでUターンして駐車場に車を止めた。店の前に、デゴイチ(D51型蒸気機関車)の本物のプレートが掲げられ、店の名前も「でご」だった。

 中に入ると、大きなテーブルに私たちより年配と見られるご夫婦と、店の経営者のご夫婦がおしゃべりの最中だった。「よかったら同じテーブルにどうぞ」とすすめられ、おしゃべりの仲間入りをさせてもらった。

 愛知県から来たというご夫婦は、海抜マイナス2mの住宅街に住んでいて、津波に怯えているという。こうして高地に来ると気分が休まるので、たびたび遠出をしているのだそうだ。

 私が近江の出身だと話すと、その愛知のご主人は「実は私、近江の大ファンなんですよ」と話し出した。琵琶湖の西部・高島地方にある棚田の一口地主で、田植えから刈り取りまでするので、高島に通いづめだそうだ。私より近江のことをよく知っておられ、とくに高島の地酒についてはびっくりするほど詳しかった。

 遠く離れた山あいの喫茶店で、故郷近江のファンと巡り会ったのも、何かの縁である。

 この店のご主人が会社を定年退職した時、なぜこの地にログハウスを建てたかを聞いて、驚いた。「ええ、馬瀬川で鮎掛けをしたかったのですよ」。私が18年前、和歌山の有田川に近い生石山に山小屋を建てたのも、同じ理由からだった。好きなせせらぎ街道で同好の士と出会え、うれしくなった。

 ただ私と違うのは、ログハウスを喫茶店にしてしまった才覚の持ち主なのだ。私などは、ただぼーっと日々を過ごす怠け者である。今から真似てみても遅いし、客が来るような所でもない。鮎は売れるほど釣れないし・・・。

 この「でご」で2時間近くもおしゃべりに興じてしまった。これも、旅の楽しみである。せせらぎ街道には、またきっと来ると思う。そして、「でこ」には必ず立ち寄るだろう。「いつの日か、このお店で」・・・。そう挨拶して帰途についた。

    ↓ 喫茶「でご」はこんな素敵なお店だった
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