森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

自然薯を掘る・・・イノシシとの争奪戦だ

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 晩秋のころを迎えると、母親は小学生だった私に「自然薯を掘っておいで」とよく言ったものである。それほど食糧事情がよくなかった時代だったから、栄養価が高く、すこぶる美味しい自然薯は貴重な食べ物だった。掘るのは、子供の仕事でもあった。

 掘り方を教えてくれたのは父親だった。まだ、小学校の低学年の頃だったと思う。近くの山に入り、黄色く色づいた自然薯の葉を探す。そして、太い蔓を見つけると、父親から褒められた。太い蔓には、立派な芋が地中に伸びているのだ。

 集落のガキ大将と誘い合わせ、山に入った。それぞれに子供なりの競争心があり、太い芋を掘り起こそうと躍起になった。一番大事なのは、芋を折らず、傷付けないことだ。完全な形で掘れば、鼻高々だった。

 しかし、それは容易なことではなかった。大きな芋になると、深さは1mほども掘り進めなければならない。太い根が張っていたり、大きな石が邪魔していたりして、簡単には掘れないのだ。大人でも閉口するほどの根気が必要だった。

 半日で4、5本も掘ればいい方だった。食べる分を除き、残りは地中に埋めて保存した。自然薯は、霜が降りると蔓が飛んでしまうので、あらかじめ見つけておいた蔓の根元に木の枝を突き刺しておき、次に掘る場所が分かるようにしておいた。このような知恵も父親から教えられた。

 芋汁と言えば、すり鉢ですった芋と出汁を混ぜ合わせるが、私の地方では出汁の代わりに大根おろしと混ぜ、砂糖、醤油で味付けする。家族みんなの大好物であり、ご飯を何杯もお代わりした。「おいしい」の声を聞けば、子供心にも鼻が高かった。

 前置きが長くなったが、ここ生石山では自然薯掘りの季節である。太い蔓がどこにあるかは、日頃から偵察しているので分かっている。しかし、のんびりしている訳にはいかない。イノシシとの競争なのだ。

 生石山は禁猟区なのでイノシシが増え過ぎ、自然薯を巡ってはイノシシとの奪い合いが激化している。昨年は、目印をしておいた自然薯をすべてイノシシに横どりされて地団太踏んだ。まあ、この山の先住民はイノシシであり、横どりしているのは人間の方だが・・・。

 ともかく、先手必勝である。わが山小屋の横手に数本の太い蔓があり、ちゃんと目印もしてある。幸いイノシシに気付かれていない。大小の鍬2本、小さなノコギリ、ドライバーのフルセットを駆使して掘りにかかった。

 まずは蔓の根元の土を大きく除く。太い木の根っこはノコギリで切る。芋が見え始めたら、ドライバーで慎重に土を削ぎ落とす。そしてまた鍬で土を掘る。この繰り返しで掘り進んで行くのだ。

 1本目は大きな岩が行く手を阻んでおり、仕方なく途中で折った。2本目は、予想通りの大物である。80センチほど掘ったがまだまだ地下深く芋が伸びている。しかし、少年のころのような根気も気力もはなく、途中で折って掘るのを諦めた。

 それでも、何回か食べられるほどの自然薯が掘れた。さっそく女房が母親直伝の芋汁を作ってくれた。女房の畑でとれた青首大根の辛みが絶妙で、筆舌に尽くし難いと書けば大袈裟かもしれないが、絶品の味だった・・・。

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   08:35 | Comment:6 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 亀丸 [URL] #-
自然薯は高級だし、掘る知識もないので残念ながら食べた事がないですが、憧れの食材ですね。
山芋とは別物なんでしょ?

>出汁の代わりに大根おろしと混ぜ、砂糖、醤油で味付けする。

そんな食べ方があったとは・・・。
本当に美味しそうです。
贅沢ですね!!
 2011.11.09 (水) 11:32 [Edit]
 たかたん [URL] #-
自然にある山芋を見つける事ができるなんて凄いです。
子供の頃に教わって身についた事って、本当に忘れないですね。
たかたんも、子供頃に母に言われてすり鉢ですった記憶があります。
懐かしいです。
山芋の食べ方は全国共通化と」思ってましたが、ひまじんさんの御実家辺りの食べ方が変わってるのに驚きました。試してみたいです。^^
こんばんわ。 2011.11.10 (木) 18:19 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   亀丸 さんへ

 山芋と自然薯は似て非なるものですね。山芋は粘りが弱く、水っぽいので、味が全然違うのです。粘りが強い自然薯と大根おろしを混ぜ合わせるのには、本当に苦労します。でもその甲斐はあります。自然薯は高価ですが、一度、お試しあれ。
 あそうそう、先日イカ釣りに波止場へ行きましたが、余りの強風で根を上げ、坊主でした。
 2011.11.11 (金) 18:01 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   たかたん さんへ

 下手な写真ですが、美味しそうでしょう?
実際、すごく美味しいのです。ちょっと土の香りがしますが、それが味を引き立てていると思います。
 子供の頃に学んだ自然薯掘りのコツは今でも役に立っています。ただ、根気はなくなりましたが・・・。
 あと何回か掘ってみようと思っていますが、イノシシに先を越されるかもしれません。
 2011.11.11 (金) 18:09 [Edit]
 kumoki [URL] #-
山芋とは、長芋のことですか?
ウィキペディアで読んだら(ヤマノイモ)混乱してしまいました。
自然薯は見たことも触れたこともありませんでしたが、
野生のものを掘るなんて、楽しそうでおいしそうです。
でもイノシシとの競争は、シビアですねぇ。
 2011.11.12 (土) 21:22 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   kumoki さんへ

 うーん、山芋と長芋は同じなんではないでしょうか・・・。ただ、自然薯(じねんじょ)はこれらと違うものだと思います。味も似て非なるものです。自然薯は少しクセがありますが、とても美味しいものです。
 日本の山にはどこでもありますが、掘るのが難しい上、面倒なので余り掘らなくなりました。1本、普通のサイズで2000円以上します。
 日本に帰られたら、一度食べてみて下さい。晩秋の頃、探せばどこかに売っています。食べてみて、漠人さんがどんな顔をされるか興味津津・・・。
 2011.11.13 (日) 18:28 [Edit]






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