森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

関門海峡の風に吹かれて・・・(後編)

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 女房、娘とともにやって来た下関の旅は二日目--。ホテルから歩いて唐戸市場に向かった。途中、武蔵と小次郎が決闘を繰り広げた巌流島に行く黄色い船が停泊していた。島へ行く気はなかったが、「今日だけ半額の400円だよ~」という言葉につられ、乗ってしまった。「今日だけ」という掛け声は疑わしいが、やはり「半額」には弱い。

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 島に上陸すると、竹藪の中から丸々と太ったタヌキが2匹現れた。いつも観光客から餌をねだっているのだろう。女房は、意地汚く持ち歩いていた腐りかけのパンを与えると、喜んで食べた。野性のタヌキだから人間との距離を測り、2m以上は近寄らないのだ。奈良の鹿と違って、可愛げがない。

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 しばらく歩くと、武蔵と小次郎の決闘シーンの銅像が建っていた。小次郎をじらす狙いなのか、武蔵は相当遅れてやって来た。それが本当なら、剣聖らしからぬことになる。砂浜には、武蔵の舟を連想させる小舟が置いてあった。臨場感を演出したかったのだろうが、いかにもわざとらしい。

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 唐戸市場は大変なにぎわいだった。何種類もの刺身を乗せた弁当が800円。女房は「二つ買うからまけてよ」とセコイことを言っている。すんなり750円にしてくれたが、そばにいるのが恥ずかしくなり、後ずさりした。見くびっていたその弁当は、意外や実に美味しかった。こだわり派の娘は、お好みの握り寿司を買い、缶ビール片手にご満悦だ。

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 次はバスに10数分揺られ、娘お勧めの長府へ行った。ここは繁華な下関とは対照的に、城下町らしい落ち着いた雰囲気が漂っていた。中心部の家々は黄土色の土壁に囲まれ、江戸時代を思わせるたたずまいだ。道行くご婦人を見ていても、豊かな土地柄を感じさせた。

 長府で有名なのは功山寺だろう。高杉晋作は同志を引き連れ、この寺に潜伏していた七卿落ちの公家を前に「これより長州男児の肝っ玉をご覧に入れ申す」と演説、倒幕に向けて決起したと伝えられる。国宝の仏殿を擁するこの古刹には、今にも高杉晋作が躍り出てくるような雰囲気が満ちていた。

 吉田松陰から薫陶を受けた長州藩士たちは、明治維新に向けて突き進んだ。起爆剤となったのは、高杉晋作が農民や商人ら身分に関係なく結成した奇兵隊と言われる。若い頃の私は、司馬遼太郎らの本を読み漁り、彼らの燃えたぎるエネルギーに心が躍ったものだ。もし私がその時代に生きていたら、志士たちの使い走りくらいはしていたかもしれない。

 決起の功山寺門前でたたずんでいると、ふと、菅直人前総理の言葉が浮かんだ。組閣の感想を聞かれ彼は「奇兵隊のような内閣です」--。よくもまあ、ヌケヌケと言ったものだ。奇兵隊は命をかけ、新時代への理想に燃えた。しかし、菅前総理は恋々と地位にしがみつくばかりで、奇兵隊の名に泥を塗った。

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 風雲の志士の息遣いを感じながらそぞろ歩きし、乃木神社にも立ち寄った。神社の一角に、将軍の遺品などを展示する無料の記念館がある。寸志を入れる箱があり、100円入れて入館した(ケチだなぁ)。乃木夫妻は明治天皇に殉じるように自刃したが、その刀の血を写し取った紙が展示してあり、明治人の覚悟のほどを生々しく感じた。

 高杉晋作や乃木将軍について、聞きかじり、読みかじりの講釈をしてみたが、女房も娘も上の空。それよりも、どこかでお茶をしたいらしい。そこで入ったのが、目抜き通りにある洋菓子とコーヒーの「でせえる三好」というお店。二人ともケーキセットには目がない。

 街の中央を流れる壇具川沿いを歩き、帰路についた。川にはたくさんの水鳥や錦鯉が泳いでいた。やはり、歴史のある街はいいものだ。小さな旅だったが、日頃口うるさい家族に連れられて、下関のグルメと歴史に触れることができ、うん、良かった・・・。

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   12:46 | Comment:2 | Trackback:0 | Top
 
 
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 まるまる [URL] #LkZag.iM
意地汚く・・・くさりかけた・・・って奥様に失礼じゃないですか!!どんな方かと思われますよ。私は知っているからおもしろいけど。

ふぐ、こちらでは見たことも無い状態。日本はやっぱりおいしいものが一杯ありますね。

早く遊びにきてくださいね。
 2012.01.12 (木) 18:04 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
   まるまる さんへ

 愛犬が亡くなったのですね。16歳で天寿を全うしたと言っても、悲しいことに変わりありません。
 さあ、早く足を治してゴルフを楽しんで下さい。不運や不幸が払われ、あとはいいことが続くと思いますよ。
 さて、そちらに行きたいのは山々ですが、諸般の事情ということで、今のところ予定が立ちません。そのうちに、きっと・・・。
 2012.01.13 (金) 18:28 [Edit]






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