森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

お前は逃げているんだ・・・旧友の言葉が耳に残る

 先日、高校時代に仲の良かった私たち4人が、関西圏にあるゴルフ場に集まった。ゴルフ場には温泉が併設されており、プレーの後は湯につかり、夜は鍋を囲んで昔話に花を咲かそうという訳である。

 集まったのは、食品会社でカレーの研究一筋に歩んできた「カレー屋」、総合商社で木材の買い付けに世界を飛び回った「材木屋」、脱サラでホテルチェーンのオーナーになった「ホテル屋」。そして、紀伊山地の山奥に引きこもっている私。

 1日目は晴天に恵まれ、絶好のゴルフ日和だった。2日目は一転、冷たい雨が振り続け、時々雪も舞う散々な天気だった。しかしわれらのゴルフは、天候が良かろうが悪かろうがどっちみち同じで、胸を張れるような内容ではなかった。

 夜の宴会は、高校時代のマドンナの話題で話が盛り上がり、後半はそれぞれの暮らしについて語り合った。カレー屋が「お前はどうして山奥で暮らしているんだ?」と聞いた。私に気の利いた答えなどはなく、「さあなぁ、気楽な生活をしたかっただけだよ」と話した。

 すると、材木屋が「お前は山へ逃げているんだよ」と言った。それは、鋭い一撃だった。滋賀の自宅を空けたまま山奥に移住し、畑を耕し、魚を釣り、キノコを栽培し、社会貢献とは無縁の勝手気ままな生活を送っている。もっともらしい理屈などはなく、その一撃に反論のしようがないのだ。

 材木屋は長男であり、退職後、田舎に帰った。代々の家を守らなければならなかったのだ。母親の世話をし、集落の役員も務め、お寺や神社の行事にも参加する。近隣との付き合いも多く、出費もかさむ。

 そんな彼からすれば、気楽な私は「逃げている」ことになるのだろう。私は次男だから郷里に帰る理由はないが、「郷里ときちんと向き合っているか?」と問われれば、答えに詰まる。カレー屋もホテル屋も次男であり、郷里とは別の都市に住んでいる。しかし二人とも、私なんかより故郷への愛着は強いように思う。

 その意味で、私は故郷への気持ちが希薄なのかもしれない。故郷に良い思い出もあるが、ほろ苦い思い出もあり、そこは複雑である。むしろ、今暮らしている紀伊山地の山奥が故郷のように思え、そこに安住している訳だ。

 さて身内の話で恐縮だが、実の兄が地域の文化や町おこしに貢献したとして県の「文化大賞」を受賞し、ゴルフの翌々日、その受賞を祝うパーティーに参加した。限界集落もある辺境の地で、毎年、集落の人たちとともに手作りのオペラを制作上演し、その旗振り役として表彰された。

 兄が郷里に根を下ろし、何がしかの社会貢献をしている。その弟は、郷里と縁を切るように遠く離れた山中で、余り社会と関わりなく暮らしている。長男と次男の違いがあるにしても、対照的である。パーティーの会場では、スポットライトを浴びる兄に対し、私はどこかすね者のような心境にもなった。

 同級生と旧交を温め、兄のパーティーにも参加し、郷里、故郷というものについて改めて考えさせられた。「お前は逃げているんだよ」。材木屋の声が、私の耳の奥に残っている・・・。
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