森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

会津への一人旅(2)

 会津若松近郊の東山温泉で泊まり、翌日、藩主保科正之公の墓参に向かった。磐越西線の電車で市内から半時間の猪苗代駅へ。会津のシンボル磐梯山には雲がかかっていたが、時折、急峻な頂上が姿を見せた。

 保科公は自ら猪苗代湖を望む磐梯山の山麓に足を運び、「この地に埋葬を」と遺言した。公は生前、「土津(はにつ)」という神道の号を授けられており、造営された墓所は「土津神社」と名付けられた。神社は、東北の日光とも言われるほど荘厳な建物だったが、戊辰戦争で焼け落ちた。

 駅から磐梯山に向かって緩やかな坂道が延びており、1時間余り歩き続けると真っ白の鳥居が見えてくる。これが土津神社である。さらに半時間ほど杉木立の参道を歩くと、奥の院だ。ここが保科公の墓所で、六角形の墓石が建っていた。

 一帯にはまだ雪があり、参拝するためには雪の道を歩かなければならない。足が雪に埋もれ、靴も靴下も濡れて冷たかった。「やっと来れました」・・・。墓前にたたずんで手を合わせ、神妙な気持ちになった。

 保科公は、将軍家綱を補佐して幕政を支えたが、会津でも次々と善政を敷いた。庶民が飢えないよう米を備蓄し、善行に対しては表彰してこれに報い、働けないお年寄りには米を支給した。

 謹厳実直、高潔な人格と言われる保科公である。しかし、50何歳かの時、目が悪くなったので若い女に身の回りの世話をさせたが、いつの間にやら手をつけ、子供まで産ませてしまった。名君と言えども、色を好むのは凡人のわが身と変わらず、親近感を持ってしまう。

 会津武士の心得「家訓十五か条」はよく知られる。徳川家への忠誠を誓わせ、賄賂、えこひいき、贅沢などを戒めている。面白いのは、4番目の家訓に「婦人女子の言、一切聞くべからず」とある。婦人団体が聞いたら腰を抜かすような家訓だが、誤解を怖れずに言うと、膝を打ちたい気分である。

 保科公がわざわざ「黙れ」と言った「会津女性」。実は、日本女性の鑑である。折り目正しく、控え目で、しかし芯の強さは折り紙つきである。だからこそ、戊辰戦争の時、多くの武家の子女が自刃するという悲劇を生んだとも言えるのだ。

    ↓ 西郷頼母邸で一族が自刃した再現シーン(武家屋敷跡)
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 保科家の家紋を許されていた西郷頼母という幕末の家老がおり、その家老屋敷は子女惨劇の舞台となった。彼は、松平容保の京都守護職就任に強く反対し、家老を解任されたことがある。戊辰戦争の時は、白川口戦の総督として出陣したが、西軍に敗れてボロカス批判された。だから妻をはじめ家族もそうした負い目を感じていたのだろう。

 薩摩などの西軍が市中になだれ込んでくると、頼母の母や妻子たち一族21人は辱しめを受けまいと自刃して果てた。また、会津出身でありながら陸軍大将にまでなった柴五郎の祖母、母、妹二人も自害した。その母は五郎を親戚の山荘に疎開させ、柴家の後事を託した。

 これ以外にもおびただしい婦女が自刃したが、その一方で武器を手に戦った婦女もいた。美人の誉れ高い中野竹子らの「婦女隊」も戦闘に参加、死亡した。来年のNHK大河ドラマの主人公・新島八重子は、自ら銃を手に取り、果敢に戦ったと伝えられている。

 かくも会津女性は強いのだ。それなのに、保科公はどうして「女性の言を聞くな」と言ったのだろう。中国の故事に「雌鳥(めんどり)が鳴くと国滅ぶ」というのがある。女が出しゃばるとろくな事がないという意味だが、公はこれに倣ったのだろうか。

 どこかの国の総理大臣は、二代続きで「よく鳴く雌鳥」が寄り添っていた。道理で、国難を招いた。保科公に先見の明があったということだろう。さすが名君である・・・。            (続く)

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