森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

能登半島をぐるり一周(前編)

 能登半島の和倉温泉に行って来た。泊まったのは、日本一のおもてなしで有名なあの加賀屋・・・ではなく、まぁ、普通の旅館である。

 旅行記を書く前に、なぜ和倉温泉なのかを説明しなければならない。インターネットの「グルーポン」とか「ポンパレ」とかをご存知だろうか。いわゆる、共同購入サイトである。

 旅館やレストラン、雑貨店など様々な店が格安の共同購入チケットをネット上で発売する。まとまった数の予約が取れれば、この企画が成立する。薄利多売の方式である。

 女房はこのサイトが好きで、一日中、パソコンの前に座っていることもある。この前は、私にショルダーバッグを買ってくれた。本皮製でなかなかお洒落な品物で、これがなんと3980円である。

 今回の和倉温泉も共同購入サイトで見つけたお得チケットだった。しかも女房は3枚も買ってしまった。娘を誘えば来るだろうと思ったらしいが、「忙しい」と一蹴され、身内の誰彼となく声をかけてみてもみな断られてしまった。

 使用期限が迫ってきたので、結局われら夫婦で行くことになったのだ。ということは、1枚分、まるまる損をしたことになった。先日、わずか1000円の映画代をケチる女房の話を書いたが、何のことはない、このように大きなところで抜けている。

 さぁ、能登半島を一周する旅の出発だ。能登への旅行は学生時代から数えて4回目だが、これまでは輪島市までで、半島先端の珠洲市にまで足を伸ばすのは初めてだ。車の運転は女房がしてくれたので、車窓の風景をじっくり楽しむことが出来た。

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 楽しい旅行に、こんな暗い話はふさわしくないが・・・。

 能登の海を眺めていて、松本清張の推理小説を映画化した「砂の器」を思い出さずにいられなかった。映画を観たのは40年ほど前で、新婚の女房も私も周囲を憚らず泣いた。観客の多くも声を出して泣いており、映画館は異様な雰囲気に包まれたのを今もよく覚えている。

 スクリーンには、ハンセン病の父親と幼い息子が巡礼の衣服に身を包み、各地を行脚するシーンが延々と映し出される。荒々しい波が打ち寄せる浜辺を、凍りつくような吹雪の道を、花が咲き乱れる里の道を、とぼとぼと歩き続ける親子。時には、乞食と間違えられ、村の子供たちからいじめられもした。誰もが号泣するシーンである。

 この親子が出奔したのは能登半島のどこかであり、あの浜辺も雪の道も能登半島だと信じてきた。松本清張の他の作品と混同しているのかもしれないが、私にとっては能登=砂の器であり、能登の地を踏むとあの映画のシーンが蘇ってくるのだ。

 映画では、ハンセン病患者への差別問題が描かれている。父親はハンセン病の施設に収容され、あの幼かった少年は過去を捨て、名前も変えて音楽家の道を歩んだ。世のスポットライトを浴び、、結婚を控えていたそんな時、昔世話になった警官が現れた。父親の病気や自身の過去が発覚するのを恐れ、警官を殺してしまったのだ。

 悲しく、切ない40年前の記憶を辿りながら、輪島市から珠洲市への道を走った。梅雨の晴れ間だったので、車窓の風景はキラキラと光っていた。やがて、国の名勝にもなっている「輪島の千枚田」に着いた。小さな棚田が海に向かって滑り落ちるように連なっていた。

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 海岸沿いには、いくつかの塩田があった。能登で作られた塩は北前船で大阪や京都に運ばれたという。しばらく走ると、葦(よし)を立てかけた民家を見かけた。冷たい北風を遮るためのものだろう。冬の能登の厳しさを垣間見せられた。

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                                           (続く)
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   08:27 | Comment:2 | Trackback:2 | Top
 
 
Comment
 
 タマモクロス [URL] #mQop/nM.
こんにちわ

輪島・・・・
ワシも今まで4回程行きました
最初の2回は、今は亡き七尾線で、あとの2回は車で行きました

電車の時は足が無いので珠洲市まで行けず、車の時は運転者がワシだけですのでキブ
一度は行ってみたいですね~

輪島と言えば朝一!
ちょこちょこと食材を買い、朝っぱらか七輪で焼いて一杯やりたいですね(笑)
 2012.06.14 (木) 10:35 [Edit]
 森に暮らすひまじん日記 [URL] #-
   タマモクロス さんへ

 そうですか、私も同じ4回目です。
最初の能登は、大学時代の合宿で行ったのです。
体育会系ではなく、文化系の合宿ですが・・・。
場所は羽咋の近くの村で、その夜、奇祭が行われていました。とてもわいせつなもので、びっくりしました。
 輪島の朝市で魚を買い、七尾で七輪を買う。
色々焼いて一杯、いいですね。
 2012.06.15 (金) 18:31 [Edit]






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25.  - 
2012.06.15 01:56
 能登半島の和倉温泉に行って来た。泊まったのは、日本一のおもてなしで有名なあの加賀屋・・・ではなく、まぁ、普通の旅館である。 旅行記を書く前に、なぜ和倉温泉なのかを説明...
2012.06.19 22:36
 
 
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