森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

健さん、映画「あなたへ」を観るのが辛かった・・・

 「健さん、お久し振りです。それにしても随分、老けられましたなぁ」・・・。

 高倉健主演の映画「あなたへ」を観に行った。健さんがスクリーンに映し出されると、ついそんな言葉が口を突いて出た。私が映画で健さんを最後に見たのは何年前、いや何十年前のことだろうか。

 健さんの映画は、私の冴えない青春そのものであり、鬱々とした青春のはけ口でもあった。

 大学時代、マージャンに飽きると3本立て100円か150円の映画を見に行った。映画館は下町の一角にあり、オールナイトで上映していたので、われら勉強をしない大学生の暇つぶしの場所でもあった。

 この下町の映画館は、任侠路線の一辺倒だった。その主役は鶴田浩二であり、高倉健だった。「日本侠客伝」、「網走番外地」、そして健さん人気を決定付けた「昭和残侠伝」シリーズ。思い出すだけで、血が騒ぐ。

 それはともかく、「あなたへ」の映画は、正直言って少し退屈だった。

 先立たれた奥さんの遺言で、刑務官の健さんが長崎の海に散骨するため、ワゴン車で旅をするというストーリーである。道すがら出会う人たちは個性があり、確かに面白い。ラストシーンは泣かせる設定となっているが、勘の悪い私にも容易に想像できる結末だったので、意外性はなかった。

 この映画を観ながら、ずっと違和感を感じていた。健さんが主演する理由が分からなかったのだ。西田敏行や役所広司といった俳優の方がはまり役だと思った。健さんは出演を喜んで引き受けたらしいが、古くから彼を慕う私たちにとって、健さんをこの役に引っ張り出すのは酷なのだ。

 分かるかなぁ、この気持ち。つまり、私たちが健さんに抱いたイメージが壊れていくのだ。鉄道員(ぽっぽや)や居酒屋兆治、八甲田山など任侠シリーズ以外の映画を知らない訳ではない。律儀で一本気、信念を貫き通す。それが健さんのイメージであるのは言うまでもない。

 しかし、忘れてはならないのは、「てめーっ」と言って相手を刺したあの「目」なのだ。

 理屈っぽくなってしまうが、あの「目」は昭和40年代の日本社会を突き刺した。70年安保の時代であり、三島由紀夫が割腹した時代だ。そして、高度経済成長の真っ只中だった。そんな時代に青春を過ごした私にとって、健さんが吼えた「てめーっ」は余りにも刺激的だった。

 「あなたへ」を観るのは辛かった。右足を少し引きずっていたね、健さん。居酒屋で乾杯するシーンがあったけれど、あの時見せた目つきに、昔の「目」の片鱗があった。でも、ほんの一瞬だけだった・・・。
スポンサーサイト
   11:07 | Comment:0 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 






(編集・削除用)

 

管理者にだけ表示を許可
 
 
Trackback
 
http://yoko87.blog74.fc2.com/tb.php/766-1b2da159
 
 
カレンダー
 
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
 
月別アーカイブ
 
 
カテゴリー
 
 
ブログ内検索
 
 
全記事表示リンク
 
 
 
訪問者数
 
 
ランキング参加中!
 
 
リンク
 
 
PR
 
 
PR
 
 
PR