森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

もし、生まれ変わったら・・・

 先日の昼ご飯の時、女房が笑いながら「ちょっとこれ読んでみてよ」と言って、大判の本を差し出した。この本は、娘が10数年前に小学校を卒業した時の記念アルバムである。

 娘は私が40歳の時の子供で、上の息子とは10歳も離れている。年を取ってからの子供は可愛いと言われるが、その通りである。上の子供たちには何かと口やかましかったが、この末娘は自由にさせていた。娘の我儘な性格は、そのせいだと大いに後悔しているのだが・・・。

 卒業アルバムは、クラスの仲間や運動会、修学旅行、クラブ活動の写真が入ったありふれたものである。卒業文集の他に、「(宝くじで)一億円当たったら」と「もし生まれ変われるなら」の「もし」にクラス全員が答える欄も収められている。

 女房は、知人から娘の同級生の消息を聞かれ、久しぶりにアルバムを引っ張り出して調べていた。そのついでに「もし」の欄を読んでみたらしいが、これが何とも傑作で、爆笑したというのだ。

 私はまず、「1億円が当たったら」の「もし」を読んでみた。「宇宙に行きたい」「北海道に牧場を作って馬と暮らしたい」「家をたてて犬5匹ほど飼う」「フランスの上等なワインをのみまくる」「無人島を買い取る」など、それぞれが大きな夢や小さな夢を語っている。

 こんな書き込みもあった。「5万円ほど使ってあとは貯金する」「将来のため残しておく」「半分は貯金して、残ったお金でほしい物を買う。家族にも何円かあげる」「今よりちょっといい生活をする」

 うちの娘は「1000万円は体の不自由な人に寄付、ローンを返してあとは貯金する」と書いている。娘も薄々わが家のローン苦を知っていたのだろう。

 続いて「もし生まれ変われるなら」のページを開いた。一番多かったのが「鳥になりたい」だった。やはり空を飛びたいのは、古今、人の夢なのだ。「天皇陛下」と書いているのが二人いた。「金持ちの家に生まれ、お嬢さまと言われたい」というのもあった。

 私が特等賞をあげたいと思ったのは「大きな木になってじっとしていたい」である。女の子の作である。どっしりと大地に根を下ろし、その木の高みから変転する社会を見つめていたいという願望なのか。虚無的のようだが、物凄くスケールの大きい夢だと思うが、どうだろう。

 さてわが娘はどう書いたのか・・・。「私はこのままでいい」。たったそれだけである。思わず噴き出し、ずっこけてしまった。みんな子供らしい夢を綴っているに、「このままでいい」とは余りにもそっけない。夢がないというか、やる気がないというか。

 夢はしょせん夢。「そんな事、考えるのは邪魔臭い」という本音かもしれない。しかし、いい方に解釈すれば、「今が幸せ」「満たされている」というシグナルにも読める。本人に確かめる事も考えたが、「忘れた」と言うに決まっている。

 実はこのアルバムを見るのは初めてだった。娘は自分の部屋に仕舞い込んでいて、親に見せたくなかったのかもしれない。アルバムに写っている娘は、どれも小首をかしげている。そんな癖や仕草が可愛かった。

 しかし今はどうだ。年末に東京から帰省した娘は野太い声で、「お父さん、老けたなぁ。ガ、ハハハ」と笑った。あの頃の娘はどこへ行ったのか・・・。
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