吉野の桜

 NHKの朝のニュースを見ていると、ヘリコプターが奈良県・吉野山の上空から桜を生中継していた。映像は「上千本」のあたりを映している。まだ午前7時過ぎというのに、多くの観光客が散策していた。アナウンサーは「満開の桜はしばらく楽しめます」と言っている。

 「それ行け」--。すぐ決断し、すぐ出かけられるのは、われら自由人の特権である。女房は弁当作りにとりかかる。前夜炊いたタケノコご飯、近くで採った山蕗の佃煮、玉子焼き。山で食べるのだから、これで十分ご馳走だ。バタバタと用意し、8時半ごろ軽トラで吉野を目指した。

 2時間半で現地に到着した。近鉄吉野駅から降りて来る乗客の多さに度肝を抜かれた。ケーブルカーの列も半端ではなく、50分待ちという。駐車場はどこも満車だったが、係員は「ああ、軽トラかぁ」と、ちょっと馬鹿にしたように一瞥し、隅っこに止めさせてくれた。駐車料金は、軽トラでも普通車と同じ1500円。

 周回道路の一つで、杉の樹林帯を通る「ささやきの小径」を歩いた。半時間ほどで如意輪寺に着いた。後醍醐天皇ゆかりのお寺であり、楠木正成の長男正行が足利軍との戦を前に訪れ、如意輪堂の扉に辞世の句を刻んだと言われる。毛氈が敷かれた椅子に座り、お抹茶をいただいた。桜の花びらが舞っていた。

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 ここからハイキングコースを歩いた。花見というより、トレッキングである。途中で昼食にした。その後、どこでどう間違ったのか、細い道に迷い込んでしまった。心細くなりながら歩き、やっと本道に出た。急な石段を登ると、いきなり視界が広がり、「上千本」の桜が目に飛び込んできた。ただ、テレビが報じていたような満開ではなく、半分散っていた。

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 再び登り続けると、水分(みくまり)神社の朱色の鳥居が見えた。お賽銭を入れ、二礼二拍手一礼。家族の健康、ついでに自身の長寿をお願いした。本殿は重要文化財で、桃山時代に再建されたとある。歴史を感じる社殿と枝垂桜が実にマッチしていてきれいだった。

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 次は「奥千本」を目指して歩き、途中でコーヒーを沸かして一服した。奥千本の入り口にあるのが「金峯神社」だ。吉野の総地主の神が祀ってあるとのこと。「金峯」とは、吉野から大峰にかけて金の鉱脈があると信じられているのだそうだ。近くに、義経が追っ手から身を隠していたという塔があった。

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 ここは吉野山と熊野三山を結ぶ修験道の奥駈道で、女人禁制の山上ヶ岳に通じている。金峯神社から4、50分歩くと「女人結界」の碑があるらしい。一応女人である女房は、ぜひこの機会に結界門に立ちたいという。行ってみたが、旧の女人結界であり、足を踏み入れてもバチが当たる訳ではなかった。

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 ここで引き返し、「西行庵」に寄り道した。桜に囲まれた静かな場所で、奥千本の名にふさわしかった。帰り道は、人で混み合うメインロードを下った。上千本の桜はまずまずだったが、中千本では半分以上散り、金峯山寺のあたりでは葉桜になっていた。

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 全山満開ではなかったが、それでもこの日に行っておいて良かった。次の日は写真のような雪。「思い立ったが吉日」。昔の人はうまいこと言ったものだ・・・。

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