餅投げ、尻餅ついて・・・

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 屋根に打ち付ける雨音がやかましく、森を吹き抜ける風が木々を揺らし、大きな音を立てている。薄目を開けて目覚まし時計を見ると、まだ午前2時である。起きるには、いくらなんでも早過ぎる。

 今日は、私たちが暮らしている別荘地の山開きの日である。山麓の集落の人たちも大勢参加する。弘法大師の祠の前で法要が行われ、その後に餅投げが行われるが、このような荒れた天気で恒例の行事はどうなるだろう。そんなことを考えていると、ますます目が冴えてきた。

 悶々としていると、少しまどろんだようだ。起きるとすぐ薪ストーブに火を入れ、コーヒーを沸かした。ストーブには前夜の火が残っていたので、すぐにゴーッという音を立てて勢いよく燃え始めた。

 暖をとりながら、コーヒーを飲んだ。外はまだ暗く、風は治まっていたが雨は降り続いていた。そう言えば、私は餅拾いで女房に一度も勝ったことがない。餅は小さなビニール袋に2個入っており、去年は女房20袋に対し私は17袋だった。これはまだいい方で、ダブルスコアで敗れることもある。

 私の悪い癖は、投げられる餅をダイレクトキャッチしようとするのだ。取れないと右往左往してしまい、地面に目を向けた時はすでに人の手が伸びている。餅拾いのベテランは婆さんに多いのだが、ペタンと地面に座り込み、目の前だけを見ているのだ。女房もこれを真似てひたすら地面を見つめ、落ちてくるの待つ作戦だ。

 餅拾いは、お上品なゲームではなく、体を張った奪い合いだ。格闘技のようなものでもある。。地面に落ちた餅を拾おうとすると、何人もの手が同時に伸びてくる。それをひるまず奪い取らなければならないが、私はそこまで出来ない。「男の体面」とか「謙譲の美徳」が邪魔をしてしまう。

 しかし女房は、逆に他人の手から餅をむしり取るのだ。だからいつも、「嫌な性格やわぁ」と自己嫌悪に陥っている。

 さてこの日の天気だが、幸い昼前には雨が上がった。遊びに来ていた兵庫県のご夫婦と一緒に別荘地の広場に出かけた。恒例の餅つき大会もあり、つきたてのヨモギ餅が参加者に振舞われた。女房はすぐ列に並び、「主人の分も」と言って厚かましく二皿もらってきた。全部女房が食べた。

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 続いて、メーンイベントの餅投げだ。買い物袋などを手にした人々が、紅白の幕で囲ったステージを取り囲む。いきなり餅がバラバラと投げられた。大人も子供も、無邪気に歓声を上げる。毎年、参加者の割には餅の量が多いのだ。

 私は思うように拾えない。すでに後半戦。空中に飛んだ餅をキャッチしようとしたが失敗した。足元を見ると、餅が落ちている。手を伸ばしたら、左横から体当たりを食らい、見事に尻餅をついた。私を突き飛ばしたのは、70代と見られる臼のように太った女性だった。

 何やら、お尻が冷たい。前夜からの雨で地面に水が浮いており、尻餅をついてパンツまで濡れたようだ。こうなれば戦意喪失だ。仲間のドイツ人Pが私のズボンを見て、「兄貴、何よそれ。明日まで笑えるよ」とはしゃいでいる。

 闘いは終わった。女房が重そうな袋をぶら下げてやって来た。私の20袋に対し、女房は36袋。またも完敗だった。「餅拾いで尻餅ですか」。女房が笑っている。洒落にもなならない。お尻を濡らし、いい年こいて、何をやってんだ・・・。

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   遊び人さん・奥様へ

 親戚中で笑っていただき、有難うございました。
尻餅ついて、本当に無様なことでした。
本人は、女房に負けまいと真剣なんですがねぇ。
 今日は大雨です。
植えられた山ウドには、恵みの雨です。
来年には、太くて白いウドが出てくるでしょう。
楽しみですね。
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