森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

鈍足夫婦の北アルプス縦走・・・2日目

 鈍足夫婦が行く北アルプス縦走は2日目だ。前日の夕焼けが約束してくれたように、朝から素晴らしい天気になった。目覚めスッキリ、痛い所もない。

 この日は燕山荘を出発、大天井岳(2922m)中腹の巻道を歩き、赤岩岳から ヒュッテ西岳を目指す。6時間ほどのコースだが、目の前に絶景が広がっており、見とれてもっと時間がかかるだろう。

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 燕岳から常念岳、蝶ガ岳までは「北アルプス表銀座」と呼ばれ、最も人気がある縦走コースだろう。緩やかな尾根が続き、右手には槍・穂高連峰、「裏銀座」と呼ばれる双六岳、水晶岳などの峰々が望める。夏山登山の真っ最中だから、登山道の前にも、後ろにも登山者が続いている。さぁ、前に進もう。

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 左側を振り返ると、立山、剣岳が見えた。何年か前、一の越小屋のベンチに忘れ物をした。あの時の不覚を思いだす。

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 左の岩は、どうやら「蛙岩(げえろいわ)」と呼ばれる奇岩だろう。どっから見てもカエルには見えないが・・・。

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 前方に大きな山容の大天井岳。表銀座コースの象徴的な山だが、まだまだ遠い。

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 朝日に照らされる鈍足夫婦の影。別に寄り添っている訳ではないが、構図が面白いと思ってカシャ・・。

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 「大下りの頭」と書かれた標識。ここから下りが始まるが、それほど長い下りではなかった。目指す槍が岳の姿はまだ小さく、ため息が出る。

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 大下りの途中、目の前をかすめて黒い影が横切った。そして木の枝に止まった。高山帯に生息するホシガラスだろうか。幸運の鳥ならいいが。

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 下り終わると、目の前にピークへの道が続いていた。これから、いくつも大きなピークが待ち構えているだろう。

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 それは、下の写真の大天井岳手前にあるはずだが、見逃してしまった。切り通という岩にはめ込まれた「小林喜作レリーフ」である。今回の登山に備え、山本茂実著「喜作新道 ある北アルプス哀史」(朝日文庫、昭和61年発刊)を読んできたので、是非ともレリーフの前で敬意を表したかった。

 本のあら筋は7月15日のブログで書いているので、よかったら読んでもらいたい。喜作は息子とともに、大天井岳から東鎌尾根へと開削し、槍が岳に通じる新道を大正9年に開通させた。それまでは、常念小屋からいったん槍沢に下って槍が岳に登っていたが、この新道によって2日ほどで槍へ行けるようになった。大変な功績である。

 この本の中では、ウェストン夫妻を北アルプスに案内した上條嘉門次、登山者のたまり場を提供していたお人好しの「常さ」らも紹介されている。常さの小さな小屋には、いつも早稲田、慶応、学習院などの学生や山好きが集まり、常さの釣ってきた岩魚を食べるなど、常さの好意に甘えていた。

 酒好きだった常さは、やがて小屋を失い、体も弱り、方々に身を寄せていた。しかし、世話になった学生たちは誰ひとり、常さを見舞うことはなかったそうだ。そして、衰弱した常さは梓川の水を一口飲ませてもらい、車に乗せられて故郷の奥飛騨に帰って行った。しばらくして息を引き取った。

 社会的地位も得ていたはずのあの学生たちは、常さの悲報を知っていたのだろうか。常さは上高地の有名人である。風の便りにも聞いていたと思う。それなのに・・・。悲しく、寂しい山の話である。


 大天井岳が迫ってきた。山肌に延びる左の道は常念岳方面、見えにくいが、右の道が東鎌尾根方面だ。

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 常念岳・東鎌尾根の分岐点。常念岳方面に向かう登山者が圧倒的に多い。東鎌尾根は険しく、敬遠されているのだろうか。われらは、右折して槍が岳方面へと進む。

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 後方に、緑色の高瀬ダムが見えた。黒部ダムに続くわが国第二位の規模らしい。烏帽子岳への登山口がある。背後の立山連峰が美しい。

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 険しい道を歩き、一歩一歩、槍が岳への距離を詰めて行く。

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 行く手に、前穂高、吊り尾根、奥穂高が見えた。

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 やっと大天井岳ヒュッテに到着した。その背後に大天井岳の頂上が見える。最初は頂上へ行く予定にしていたが、余りに急なため、やーめた。

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 燕岳で出会ったこの人たちとは、またヒュッテ前のベンチで再会した。われら夫婦と同じルートで槍が岳を目指しており、険しい東鎌尾根を歩く連帯感のようなものがある。若くて美しい女性3人は、地獄で会った仏のようである。

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 今年は花の当たり年ではないかと思うほど、咲き競っている。特にコバイケソウ、ハクサンフウロが目立った。写真の高山植物は、上からハクサンイチゲ、ハクサンフウロ、タカネヤハズハハコ、イワハゼ、シナノキンバイ、コバイケソウ、ニッコウキスゲ、イワツメグサ

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 今夜泊まる「ヒュッテ西岳」が見えてきた。

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 「ヒュッテ西岳」は、山小屋らしい山小屋だ。食事は燕山荘のようにはいかないが、素朴で家庭的な雰囲気がある。収容人員は70人と少なく、夏場は電話予約しておかなければならない。

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 ふぅー、よく歩いた。コーヒーカップをかざして名峰常念岳にカンパーイ。明日も晴れればいいが・・・。

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                                         (続く)
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   07:27 | Comment:3 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 イレグイ号 [URL] #-
和歌山はものすごい暑さです。
緑が目に沁みますね。もう、帰りたくなくなるのではないのでしょうか?
 2013.08.07 (水) 23:49 [Edit]
  [URL] #-
大天井ヒュッテの前でお写真を撮っていただいた者です
(真ん中でショートパンツ履いてます)
お写真アップありがとうございました!
この次の日の東鎌尾根は、私も匍匐前進してました・・
私はまだまだ初心者なので、山行頑張ります!
またどこかでお会いできるのを楽しみにしています
 2013.08.09 (金) 07:32 [Edit]
  [URL] #-
    ショートパンツ さんへ

 コメント、有難うございます。
あなた様もよくぞ、ご無事で。
おめでとうございます。
わたしたちも、無傷で新穂高に下山しました。
 山の出会いはいいものです。
そしてこのようにコメントをいただくと、あの日のことを思い出します。
 これからもいい登山を続けて下さい。
そしていつか、「お久し振り」と言って、北アルプスのどこかで再会出来たらいいですね。
 有難うございました。
 2013.08.09 (金) 13:55 [Edit]






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