森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

鈍足夫婦の北アルプス縦走・・・5日目(終わり)

 出来ることならこのまま時間が止まり、天空の山々に囲まれ、じっとしていたいと思う。しかし今日は5日間にわたった北アルプス縦走の最終日、新穂高へ下りなければならない。

 午前4時過ぎ、星を見ようと双六小屋の外に出た。すでに東の空が白み始めており、それほど多くの星を見ることは出来なかったが、上弦の月が青白く輝いていた。今日はきっといい天気になるだろう。

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 夜明け前、空が燃えている。

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 そして、ご来光だ。太陽は、われらが縦走を始めた燕岳のあたりから顔を出した。絶景の表銀座を歩き、強風の中、東鎌尾根の断崖を這うように歩き、槍が岳へ。そして、ライチョウに見送られながら西鎌尾根を下って来た。

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 三俣蓮華岳が赤く染まっている。登山用語でいえばモルゲンロート。バラ色の朝焼けだ。

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 笠ケ岳(右端)の頂上も少しバラ色に。この山はどこから見ても美しい。

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 たくさんの人が双六岳への道を登って行く。これらの中には黒部五郎岳に向かう人もいるだろう。前夜、双六小屋に泊まった人に聞いたのだが、黒部五郎小舎では布団1枚に3人寝るという混雑ぶりだったという。

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 テント場前の池塘に、双六岳が映し出されていた。

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 水に映っていた双六岳。

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 双六小屋から新穂高に下る小池新道を歩けば、ずっと槍が岳と穂高連峰が見つめている。

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 振り返ると、昨日越えてきた西鎌尾根と樅沢岳(左)が見えた。

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 鷲羽岳、その左には水晶岳も見えた。

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 前方には、乗鞍岳、その奥に御嶽山が。ズームで引っ張ったので、実際はもっと遠くに見える。

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 今日は雲海が美しい。

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 雲海の中に浮かぶ乗鞍岳と御嶽山は何度見ても美しい。その手前、ちょこっと頭を出しているのが火山の山・焼岳だ。

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 花見平に来た。白いハクサンイチゲ、黄色いシナノキンバイ。

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 雪渓を歩く。今年は雪が多いという。

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 ガスの切れ目から鏡平山荘と池が見えた。ひと息入れてからここへ下ろう。

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 弓折乗越だ。直進すれば名峰笠ケ岳、左へ行けばこれから立ち寄る鏡平山荘だ。

 ここでコーヒーを入れて一服する。槍・穂高を眺めながらのコーヒーは贅沢だ。

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 槍が岳の右の急な飛騨沢を下り、左へ伸びる尾根へと進む。この4枚の写真が、われわれの下った長い西鎌尾根だ。

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 鏡平の池に映った槍・穂高。この景色を撮影するため、多くの人が訪れる。われらは、これまで2回撮影を試みたがガスで撮れなかった。今回は三度目の正直でやっと実現した。

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 秩父沢まで下って来た。ここで蒲田川を渡る。涼風が感じられ、多くの登山者がひと休みする。秩父沢の写真でも分かるように、鏡平山荘を出発するころから雲が湧き出し、槍・穂高が隠れてしまった。

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 5日間にわたった北アルプスの縦走は終わりに近づいた。一抹の寂しさがあるが、ここまで無事に来られた安堵感、満足感もある。

 下山しながら、週刊誌に載っていた作家林真理子さんとアルピニスト野口健さんの対談を思い出していた。野口さんは次のようなエピソードを紹介していた。エベレストに登頂したフランス人が下山の恐怖から発狂し、飛び降りて死亡したというのだ。

 野口さんが言いたかったのは、無事に下山して登山が完結する、つまり下山こそが大切ということだ。登山による遭難は、登る時より、下山時の方がはるかに多いと言われる。

 林さんは、人生も下山のほうが大切だと応じていた。人生の折り返しを過ぎてからの方が味わいのある日々を送れるという人は多い。それまで見えなかったものも見えるし、命ある限り一日一日を有意義に過ごしたいと、一層強く思うようになる。

 「下山」という言葉には暗いイメージがあるが、登山も人生もそんなことはないと思う。山では、登る時見えなかった景色や花が見えるし、人生では礼節や道理など人の道が見えてくる。

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 午後1時過ぎ、新穂高温泉の登山口に無事下山した。鈍足夫婦らしくゆっくりした山行だったので、私も女房もすこぶる元気だ。もうひと山くらいなら登る余力さえある。

 平湯のバスセンターで昼食を食べた後、3階の温泉で5日間の疲れを癒した。夢のような天空の旅だった・・・。

                                           (終わり)
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   07:49 | Comment:10 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 イレグイ号 [URL] #-
いや~、赤い山というのは浮世絵の中だけの話だと思っていました。本当に見えるんですね。
夜明けの光景というのは、多分、この世が生まれたときの景色はこんなのだったのではなかろうか、今生の世界で使われている色はそのすべてがこのときにできたのではなかろうかと、いつも感動しながら船を停めて眺めています。
僕の会社でも日が昇る前に目を覚ます人などはほとんどいないと思いますが、そんな光景を知っている私は少しだけ彼らより豊かな人生を送っているのではないかと考えています。

行ったら帰ってこなければならない。
それなんです。僕が出不精なのは・・・。
 2013.08.13 (火) 19:10 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
    イレグイ号 さんへ

 高峰が赤く染まるモルゲンロートは本当に神秘的です。昨年、涸沢カールから見た奥穂高の夜明けは恐ろしいほどの赤さでした。
 確かに、夜明け前に船を出すイレグイさんは様々な表情が見られますね。まさしく特権ですね。まぁ、魚が釣れないなんて、話しが小さいですね。
 舟を出し、夜明けを見に行って、手ぶらで帰る。こんな酔狂はありませんよ。失礼しました。


 2013.08.14 (水) 18:06 [Edit]
 チェロ子 [URL] #BH6855UQ
美しいですね。
私も自分の足で歩き、自分の目でみてみたい。
でも足に自身が無いので無理だな~・・・
こうして見せていただけて嬉しいです^^
 
私も人生の後半を豊かな気持ちで過ごせたら良いなと思います。
 2013.08.16 (金) 22:58 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
     チェロ子 さんへ

 いつもコメントをいただき、有難うございます。
足に自信がないなんて、とんでもありませんよ。
私たちだって鈍足です。
でも、無理をせず歩けば、大抵の北アルプスは登れます。
これは本当です。
どうか、山を歩いて、 「人生の後半を豊かな気持ちで」過ごされるよう願っています。
 さぁ、一歩を踏み出しましょう。そこにある、低い山でいいと思います。
 2013.08.17 (土) 17:32 [Edit]
森に暮らすひまじん様&女房様
すご~~い!!やっぱりヤルンデスネ!今回はいかがでしたでしょうか、胸の内のほうは?私は昨年はカラッポになりましたし、お二人も昨年はそうだったとおっしゃったですが・・しかしカッコイイデスね~。すごい!!
森林セラピーと鯛釣り 2013.08.23 (金) 21:40 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
    森林セラピーと鯛釣り さんへ

 はい、今年も北アルプスへ行ってきました。
槍が岳直下の東鎌尾根は怖かったです。
でも、セラピーさんが昨年行かれた吊り尾根に比べれば、楽勝でしょうね。
 今年はアルプスへ行かれないのですか?
会長さんの都合が悪いのでしょうか。
もやいロープが行きたがっていますよ。
 ブログ、読ませていただいています。
特に女房は愛読者です。
様々な地域の活動をされており、羨ましいです。
ご活躍を。
 2013.08.26 (月) 07:58 [Edit]
 akemi [URL] #NQc8Eg4k
お元気そうでなによりです。去年涸沢岳でお逢いした鯛釣りさんの連れの若い(くない)女性スタッフです。実は行ったんです。鯛釣りさんを置いて・・・ひまじんさんのブログ見てびっくり!ちょっとだけ同じ道歩いてますか?私達は新穂高から鏡平山荘を経て笠ヶ岳に登りました。下りは笠新道です。8月17~19日でした。とってもよかった・・・北アルプスにはまりそうです。またどこかでお逢いできたらうれしいです。
きゃ~!ニアミス? 2013.08.27 (火) 16:26 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
    akemi さんへ

 涸沢岳の頂上でお会いした時、あなたは凄い山ガールになると思っていました。
 案の定・・・。
もう、北アルプスから逃げられませんよ。
しかもお若いから、さまざまな山に登れますね。
羨ましくて仕方ありません。
 笠ですかぁ・・・。
私も登りたいと思っていますが、もう年ですから実現できるかどうか。
笠新道の下りはどうでしたか。膝は大丈夫でしたか?
 もやいロープのオヤジさんも連れて行ってやって下さいよ。
 2013.08.28 (水) 07:10 [Edit]
 akemi [URL] #NQc8Eg4k
笠には75歳の元会長を筆頭に71歳が三人、65歳で笠を百名山最後に選んだ女性のグループに加えてもらって6人で登りましたが、まーみなさんの元気なこと・・・最年少の私は、下りで一生懸命歩いているのに私の前に間が開くのです。下りきって両膝ガクガクと言うと、こんなことで痛がっていたらどうする!と言われました。痛いと言ってもたいしたことではなくその時限りでしたが・・・登りも下りもゆっくりで花を楽しみながらの楽しい山行きでした。ひまじんさんならきっと楽勝でいけますよ。山小屋は何となく穂高山荘に似ていました。
笠ヶ岳 2013.08.28 (水) 13:37 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
  akemi さんへ

 このコメント読ませていただき、勇気が出てきました。みなさん、70歳を超えても健脚、しかも笠に登ろうという気力が凄い。私も負けていられないと、強く思いました。

 まだまだ登りたい山はありますが、つい年齢の事を考えてしまいます。ただ今年、5日間歩き続けることが出来、大きな自信になりました。

 有難うございました。
 2013.08.29 (木) 08:01 [Edit]






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