森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

顔写真が合唱する・・・

 先週、親類の結婚披露宴に夫婦で出席した。新婦のご両親にお祝いの挨拶をすると、すぐにカメラを手にした男性が現れ、顔写真を撮らせてほしいと言った。出席者全員を撮影しているらしい。

 私も女房も、よそ行きの顔を作り、撮影してもらった。結婚式の記念アルバムか何かに使うのだろうと思った。やがて、若い二人の門出を祝って乾杯し、披露宴が始まった。

 新郎も新婦も緊張することなく、爽やかな笑顔を振りまいていた。友人らのスピーチもユーモアにあふれていた。二人の子供のころからの写真を繋ぎ合せ、人生の歩みをクリーンに映し出す楽しい演出もあった。

 今風の披露宴は、昔と随分違う。30数年も前の私たちの披露宴を思い出した。司会者はマスコミに勤める友人で、披露宴が始まって半時間ほどすると、事件が起きたと言って帰ってしまった。事件とは、ある地方銀行の女子行員が横領していた金を愛人に貢いでいたもので、その女子行員がマニラで捕まったというのだ。

 一方の仲人は、披露宴が始まる前から酔っ払っていて、新郎新婦の紹介も呂律が回らない。司会者のいなくなった披露宴はお通夜みたいになり、あちこちで私語が交わされるだけ。私は作り笑いをしていたが、多分顔が引きつっていたに違いない。女房の一生の後悔はこの時から始まったのだろう。

 さてこちらの披露宴は終わりに近づき、新婦が両親と姉に対する感謝の思いを語り始めた。それは会場の涙を誘い、私も目がしらにハンカチを当てた。

 続いて新郎の言葉だ。会場の末席に新郎のお姉さんが座っていた。彼女は障害者であり、弟に向けたその目から大粒の涙があふれいた。弟を祝福する何という美しい涙だろう。こらえていた私はついに嗚咽してしまった。

 新郎新婦から両親に花束が渡されると、司会者から「正面のスクリーンをご覧下さい」というアナウンスがあった。ベートーヴェンの交響曲第9番を演奏するオーケストラが映し出された。

 そしてオーケストラの後ろに合唱隊が映り、歓喜の歌が響き渡った。歌っているのは、披露宴に参加した私たち一人一人であり、冒頭に撮影された顔写真が合唱しているのだ。

 スクリーンにずらり並んだ顔写真は右に左に動き、それぞれが口を大きく開け、目をパチクリさせて歌うのだ。一人ひとりのその表情は実に傑作で、会場は笑いの渦である。涙から爆笑へと転換させた見事な演出だった。若者たちとともに楽しいひと時を過ごさせてもらった。お幸せに・・・。

      *       *       *

 パソコンで「顔写真が歌う」の文字を入れて検索すると、「顔写真を3Dアニメ化する技術」などという項目が出てくる。どうやらこのソフトが、われらの第9の合唱に用いられたのだろう。
      
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