森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

十一面観音・・・盛安寺

 元日の朝、浜大津から京阪電車に乗り、穴太(あのう)駅に向かった。電車は近江神宮への初詣客でほぼ満員だ。この人たちが神宮前の駅で降りると、車内は閑散となった。やがて穴太駅に着き、私と年配の婦人の2人だけが降りた。

 穴太はかつての大津宮に近く、飛鳥時代の遺跡が点在する。5分余り歩くと天台宗・盛安寺があり、ここには国の重要文化財十一面観音像が祀られている。ここへお参りし、観音さんとともに平成26年の第一歩を踏み出したかった。

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 頑丈そうな石垣が見えてきた。いわゆる穴太積みである。古墳の築造に従事した石工(いしく)の末裔がこの地に住み、後に安土城など天下の名城を手がけた。いわゆる「穴太衆」と呼ばれ、今もその高度な技術を受け継いでいると聞く。

 その石垣の上に盛安寺の本堂があった。十一面観音を拝観できるのは、正月三が日、初夏と秋のごく限られた期間だけだ。庫裏を訪ね、観音さんの拝観をお願いすると、住職らしい人は「収蔵庫の扉は開けてありますから、どうぞ」と言い、「拝観料は結構です」とのことだ。確か本には拝観料が300円と書かれていたが、正月は特別なのだろうか。

 収蔵庫は道を隔てた小高い場所に建っていた。分厚い防火用の扉が開かれ、その向こうのガラス戸越しに拝観できるようになっている。縦長のガラス二枚が外されていて、中をじかに見ることができるのだ。しかも写真撮影禁止の表示もない。十一面観音さんが「さぁ、どうぞ」と手招きしているように思えた。

 観音さんは、均整のとれた見事な姿である。ふくよかな顔に小さな口。どこか微笑んでいるように見える。4本の腕があり、両手を合わせ、右手に錫杖、左手に蓮華の花を持っている。頭上には10面の仏様を戴いている。まだ早い時間だったので拝観者は少なく、時間を置いて3回もじっくり拝ませてもらった。

 10世紀末~11世紀初期の作とされ、ヒノキの一木造りで、像高は179.1cm。十一面観音から千手観音への過渡的な像という。もともと観音さんは、ここから2・5キロほど南西にあった崇福寺におられたと伝わる。この寺は平安時代、東大寺や興福寺など十大寺院の一つに数えられたが、13世紀末に廃絶した。なぜ盛安寺に移られたかは不明だ。

 私はそれほど信仰心がある訳ではなく、仏教美術の知識も皆無に等しい。しかし、井上靖の小説「星と祭」を読んで十一面観音への関心を持つようになった。近江には、観音さんがキラ星のごとくあり、しかもそのほとんどは地域の民衆がお守りしている。これから少しずつでもお参りし、信仰への道が開かれればと思っている。

 私はもう、十一面観音さんに恋い焦がれ始めている・・・。

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